随意契約の記載例を「競争性の有無」によるパターンごとに詳しく解説

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随意契約の記載例を「競争性の有無」によるパターンごとに詳しく解説

国や地方自治体などの公共団体が民間企業と契約を交わす場合、入札が一般的ですが、ほかにも随意契約という方式があります。

随意契約はあまり馴染みがないため、どのような手続きになるのかよくわからないという人も多いことでしょう。

本記事では、まず入札と随意契約の違いを説明します。さらに、随意契約を行う際の文書についても詳しく説明するので参考にしてください。

 

一般競争契約(入札)と随意契約との違い

公共団体が工事契約や物品購入を行う際、どの民間企業と契約を交わすのか決める方法として一般競争契約があります。一般競争契約は入札とも言われ、よくメディアでも取り上げられているので知っている人も多いことでしょう。ここでは、入札と随意契約の違いについて説明します。

 

入札は随意契約より手続きが煩雑である

入札は随意契約と比べて、その手続きは非常に煩雑です。入札でパソコンを購入すると仮定すると、次のようなステップを踏む必要があります。

 

1.大手メーカー(6社ほど)のカタログと価格表を入手

2.仕様策定委員(3〜5人ほど)を選任

3.仕様策定委員会を開催して契約条件をまとめる

4.契約条件をもとに仕様書を作成する

5.ネット上のサイトや掲示板に入札公告を掲載

6.参加希望会社への対応

7.予定価格調書を作成

8.入札会場の設営準備

9.入札執行官と参加会社で開札

10.パソコン購入

 

随意契約の場合は次のようになります。

 

1.特定のメーカー2、3社を比較して機種を選ぶ

2.担当者1人で仕様書作成

3.市場価格の調査

4.パソコン購入

 

このように同じ物品を購入するのに、入札と随意契約では驚くほど時間と労力が異なります。競争性を確保することは大事ですが、これほど時間と労力に差が生じると、かえって税金の浪費になってしまうこともあります。そのため、入札は契約金額が高額なもののとき行うと法令で定められているのです。

 

「競争性のある」随意契約の記載例

随意契約は「競争性のある少額な随意契約(少額随意契約)」と「競争性のない随意契約」に分けられます。

 

「競争性がある」ことが前提

少額随意契約においては、予算決算および会計令の範囲のうちであれば、いくつかの見積り金額を比べて最安値の企業と契約します。

ここで重要なことは、この契約の対象となるものが「競争性があること」です。

例えば、パソコンを購入する場合、そのパソコンが特別な機種ではなく一般的なメーカーが販売しているものであれば、市場競争にさらされており「競争性がある」といえます。

このように、競争原理を取り入れつつ事務手続きを簡素化することを目的として、少額随意契約は行われます。

 

「機種選定理由書」の記載例

この契約の場合は、次の内容を盛り込んだ「機種選定理由書」を作成します。

 

・目的(購入目的を明確に記載)

・必要条件(最低限必要な機能を記載)

・選定理由

 

必要条件を厳しくしすぎると機種が限られ、「競争性があること」という前提条件を満たすことができなくなるため、業務に必要な機能のみに絞り込むことが大切です。

理由書のほかに、3〜5機種ほどの性能を比較した「性能比較表」を作成し添付します。機種選定が完了すると、担当者によって見積り合わせが行われ契約の相手先が決まります。

 

「業者選定理由書」は不要

この契約の場合は、「競争性がある」ことが前提であるため業者選定理由書は必要ありません。

 

「競争性のない」随意契約の記載例

次に「競争性のない」随意契約について説明します。ここでもわかりやすく特殊なパソコンを購入すると仮定して説明しましょう。

 

「競争を許さない」と判断した理由書が必要

「競争を許さない場合」とは、ほとんどが知的財産権と技術力によって、あるメーカーや販売会社が市場を独占しているケースです。製造業者が1社に限られ、修理などのアフターケアも他社に依頼できない場合などがこのケースに該当します。

なぜ「競争を許さない」のか、過去の実績やほかの官公庁でも同様の判断をしているかなどを確認した上で理由書を作成する必要があります。

 

「機種選定理由書」の記載例

この場合の「機種選定理由書」には、次の項目を盛り込みます。

 

・目的(購入目的を明確に記載)

・必要条件(最低限必要な機能を記載)

・選定理由

 

ここでの記載内容は、少額随意契約とほぼ同様ですが、最後の選定理由のみが異なってきます。必要となる条件に合致する商品を調査検討した結果、最終的に「この商品しかない」という旨の記述になります。

 

「業者選定理由書」の記載例

この場合は、「業者選定理由書」が必要となります。理由書には、次の項目を記載します。

 

・目的(その機器を必要とする理由)

・選定理由

 

この場合の選定理由は比較する対象がないので、「〜という理由から、〇〇企業を選定する」という形になります。

 

電子化した随意契約は記載例として保管しよう

昨今、政府は電子調達システムを活用し、民間企業との契約締結をネット上で行っています。

また企業側は、電子契約システムを導入することで、これまでの契約書を電子化して記載例として保管しておくことができます。

書類を探す手間を省くことができ、保管場所も必要ありません。検索から作成、契約の締結まで、一連の流れを全てネット上で行うことができます。

この機会に便利な電子契約システムの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

 

 

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