電子契約に関する規制とは?知っておきたい規制内容について解説

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電子契約に関する規制とは?知っておきたい規制内容について解説

働き方改革や新型コロナウィルスの感染拡大により、電子契約書の需要や注目が高まっています。

しかし、そんな電子契約書にもいくつか規制が存在することをご存知でしたか?

今回はそんな電子契約書の規制について紹介いたします。

 

書面の電子化に相手の承諾や希望が必要な契約について

契約の中には、「原則は書面での契約を必要としつつ、契約を結ぶ相手方の承諾や希望があれば、契約を電子化することが可能」なものもあります。

契約件数が多くなってしまいがちな契約の場合、電子化することで収入印紙税が不要になり、大幅にコストを削減することができます。相手の承諾さえ得てしまえば法的には何の問題もないため、積極的に契約を電子化していきたい契約であるともいえます。

 

相手の承諾があれば契約書の電子化が可能になる契約

〇投資信託契約約款(投資信託及び投資法人に関する法律5条2項)

〇建設請負契約(建設業法19条3項、施行規則13条の2)

〇不動産特定共同事業契約についての成立前の書面・成立後の契約内容説明書面(不動産特定共同事業法24条3項・25条3項)

〇下請会社に対する受発注書面(下請法3条2項)

 

相手の希望があれば契約書の電子化が可能になる契約

〇労働条件通知書面(労働基準法15条1項、施行規則5条4項)

〇派遣労働者への就業条件明示書面(派遣法34条、施行規則26条1項2号)

 

書面が必要な契約について

契約の中には、「法律によって書面での契約が定められ、現状では電子契約を結ぶことができない」ものもあり、主に不動産に関する契約がこれに当てはまります。長期的かつ金額も高額であるうえに、人々の生活に関わる契約のため、所管する国土交通省や法務省民事局が、契約の電子化に慎重な態度をとっているといわれています。

しかし、これらの契約分野も今後規制緩和がなされ、電子化できるようになる可能性があります。

 

書面での契約が定められている契約例(2020年時点)

〇宅地建物売買等契約締結前の重要事項説明・締結後の契約内容説明(宅建業法35条1項・37条1項3項)

〇マンション管理業務委託契約(マンション管理法73条)

〇宅地建物売買等媒介契約(宅建業法34条の2)

〇定期借地・定期建物賃貸借契約(借地借家法22条、38条1項)

〇訪問販売等特定商取引における交付書面(特定商取引法4条ほか)

〇労働者派遣個別契約(派遣法26条1項、施行規則21条3項)

 

電子契約が今後スタンダードに?

 

2018年8月から国土交通省による試験運用

国土交通省は、2018年8月から公共工事や建設コンサルタントに携わる業者などに対して電子契約書を用いた契約の試験運用を始めました。

国土交通省による電子契約サービスの試験運用により、先述した書面による契約が必須な契約についても規制緩和が期待できるといえます。

 

その他府省庁でも導入検討

国土交通省の他にも農林水産省、防衛省、内閣府(沖縄総合事務局)の4府省が電子契約システムの試験運用に参加しました。

上記5つの府省が電子契約システムの導入を検討することで、その他の府省庁でも導入の検討について議論され、電子契約システムがより普及するのではないかという期待が持たれています。

 

行政が与える影響は大きい

上記のような行政主導の電子契約システムの導入は、民間企業にも大きな影響を与えると思われます。

電子契約システムの利便性や効率化が広く認知されることで、現在進められている働き方改革などのニーズにマッチするポテンシャルを秘めている電子契約システムが民間企業にも多く取り入れられることが期待できるからです。

電子契約書を使用するメリットは契約を結ぶ双方に及ぶため、電子契約システムの導入が広まれば広まるほど、契約にかかるコスト削減や時間短縮など得られる効果は大きいものといえます。

導入に関する抵抗の軽減や注意点の認知などについても、今後の行政のスタンスによっては大いに期待できるといえるのではないでしょうか。

 

新型コロナウィルスによる影響

2020年、新型コロナウィルスの流行により緊急事態宣言が全国的に発令され、テレワークなどの多様な働き方がより一層推進される事態になりました。

その中で、電子契約システムは契約業務をすべてオンライン上で行うことができるため、大きな注目と需要が集まっています。出勤せずとも契約を締結できるだけでなく、紙の契約書に比べて早い時間で契約を締結することができるため、緊急事態宣言下の契約業務において大きな力を発揮したのです。

新型コロナウィルスの流行が落ち着いて以降も電子契約書の需要はさらに高まっていくと予想されていることから、今後「電子契約が契約業務のスタンダードになる可能性は大きい」といえるのではないでしょうか。

 

まとめ

電子契約については法的な規制がいくつかあるため、現状では全ての契約を電子化することはできていません。

しかし、行政による電子契約システムの試験運用や新型コロナウィルスの流行により、電子契約システムの需要や注目が高まったことから、今後の契約業務のスタンダードになる可能性は大いにあるといえます。

全ての契約を電子化することができるようになる日もそう遠くないといえるでしょう。

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