定款と約款の違いとは?民法改正が行われた経緯も解説

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定款と約款の違いとは?民法改正が行われた経緯も解説

定款とは、会社を興す際に必要な書類ですが、約款とどう違うのかについて良く分かっていないという方も多いのではないでしょうか。

また、2017年の民法改正により新たに設置された定型約款とは何かについても知っておきたいものですよね。

そこで今回は、定款とは何か、約款とどう違うのか、なぜ民法改正が行われたのかなどについて解説いたします。

 

定款とは

定款と聞いて難しく感じるという方のために、わかりやすく説明いたします。

 

定款とは

定款とは、会社を興す際に必ず作成しなければならない国でいう憲法のようなものです。会社法では、設立する会社の法律上の根本的な規則を決めることが定められています。定款の作成にあたり、株式会社の場合は発起したすべての人間が関わらなければならないことや必要な3項目を記載し、記名捺印と公証人による認証によって効力が発生します。合同会社を設立した場合は、社員全員で作成しなければなりません。

 

絶対的記載事項

定款作成に必要な3項目の1つ目が、絶対的記載事項です。これは定款に必ず記載しなければならない内容を指します。「目的」、「商号」、「本店の所在地」、「設立に際して出資される財産の価額または最低額」、「発起人の氏名または名称および住所」、「発行可能株式総数」がその内容です。発行株式総数は会社設立登記までに発起人全員の同意、募集設立をする場合には創立総会によって公証人による承認を得ることができます。

 

相対的記載事項

相対的記載事項は、記載がなくても効力は生じますが記載されていないとその項目は認められないというものです。「取締役会、監査役、会計参与、会計監査人などの機関設計」、「株主総会招集機関短縮」、「取締役および監査役の任期伸長」などが例としてあげられます。

 

任意的記載事項

任意的記載事項とは、記載がなくても定款として成立し、その効力を発揮する項目ですが会社が任意に定款に記載するものを指します。例えば「定時株主総会招集時期」や「事業年度」、「取締役および監査役の員数」などです。これらを定款に記載した場合、変更するためには必ず株主総会によって決議を行う必要があります。

 

約款とは

次に約款についてです。約款は普段生活する上でも耳にすることがあるかと思いますが、詳細を知る機会はなかなかないのではないでしょうか。約款とはなにか、詳しく解説いたします。

 

約款とは

生活する上で、私たちは契約を締結しています。

売り手と買い手が存在し、意思が合致することでそれは「法律行為」になります。

その際に契約の当事者は誰なのか、契約代金はいくらなのか、いつ支払えばいいのかなどの内容をあらかじめ文書にしておくことでいちいち取り決める必要性がなくなりました。この内容をまとめた文書が「約款」です。

通常の契約の場合、提供されるサービスの価格などを話し合い契約書に記載した上で締結されますが、約款は売り手によって内容が決められており、買い手が契約を結ぶかどうか判断して成立するという形になります。約款の内容が法律上不当なものであると感じた場合は、消費者契約法に基づき無効であることを主張できます。

定款と約款は言葉の響きや見た目が似ているため混乱してしまうかもしれませんが、全く異なるものです。

 

定型約款とは

民法改正が行われ、定型約款として適応される条文が加わりました。

定型約款は「定型取引において契約内容とすることを目的としてその特定のものにより準備された条項の総体をいう」と定められています。

締結される取引が定型取引であるための条件は以下の通りです。

 

①不特定多数が相手の取引であること

②内容が画一的かつ合理的であること

 

さらに、定型取引で約款を定型約款と定めるための条件として、「契約内容とすることを目的として一方当事者によって準備された条項の総体であること」が必要です。

通常の取引の場合は当事者の双方が話し合いをし、合意に達しますが、定型約款の場合は事業者一方が契約内容を用意します。例えば銀行の普通預金規定や、パソコンでソフトウェアをインストールする際の利用規約がこれにあたります。

 

なぜ民法改正が行われた?

クレジットカードの申し込みや銀行口座の開設などを行う際、利用規定が記載されたパンフレットを受け取ったり、ソフトウェアをダウンロードする際に利用規約に同意するか否かの画面が現れたり、こういった約款の利用は日常生活に溢れています。しかしこうした規約や約款の条項を一つひとつ確認して合意締結している人はほとんどいないでしょう。

これまでの民法では約款に関する規定がなかったため、なぜ約款が契約上当事者を拘束するのかが不明瞭なままでした。そこで民法改正が行われ、定型約款に関する新しいルールが適用されることになり、個別に了解を得ず顧客が規約等を読んでいなくても契約内容として取り込まれることや一定の条件によって後から一方的に変更が可能になることなどが取り決められました。

 

まとめ

定款と約款、そして民法改正によって定められた定型約款は響きが似ているため混同してしまうかもしれませんが、すべて内容が異なるので注意が必要です。定款は会社設立の際に必要なもの、約款は私たちの生活に必ず結びつく契約内容のことです。民法改正によって制度化されたことをきっかけに、今一度契約の内容が適正かどうか確認し、不利になるような条項がないかどうか注意しましょう。

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