利用規約は民法改正で何が変わった?定型約款についても解説

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利用規約は民法改正で何が変わった?定型約款についても解説

2017年5月の改正民法成立により、利用規約についても抜本改革が行われました。

しかし、その内容についてはよく分かっていないという方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、民法改正によって利用規約がどう変わったのか、新たに新設された定型約款はどのようなものなのかについて解説いたします。

 

利用規約とは

利用規約に該当する文書とはどのようなものなのか、契約書との違いについても触れつつ解説いたします。

 

利用規約とは

利用規約とは、サービスを提供する事業者が、サービスを利用する消費者に対して、利用上の注意点やルールについて文章でまとめたものを指します。

利用規約は様々な取引の場面で作成されますが、近年ではSNSやダウンロードサービスなど、インターネット上でのサービスについて作成されるケースが増えています。利用規約の内容については、サービスを提供する事業者によって決定されます。利用者がその内容に同意し、サービスを利用することで取引が成立し、利用規約はそのまま事業者と利用者間での契約内容になります。このプロセスを経ることにより、利用規約がトラブル防止に対して有効に機能します。

 

契約書との違い

利用規約と契約書には、大きく2つの異なる点があります。

1つ目が内容についての交渉の可否です。利用規約の内容は事業者が一方的に決定するものであり、内容について利用者との個別の交渉は想定されていません。対して契約書は、一方の当事者が作成した場合でも、もう一方の当事者による内容についての交渉が想定されています。

2つ目が第三者による閲覧の可能性の有無です。利用規約はインターネット上でも公開されている場合が多く、第三者による閲覧の可能性があります。対して契約書は、契約を交わす当事者以外の第三者による閲覧の機会は通常ではありません。

利用規約と契約書には、これら2つの異なる点がありますが、事業者と利用者の間で利用規約の内容について合意がなされた場合、利用規約がそのまま契約内容となるため、利用規約と契約書の機能は共通しているといえます。

 

利用規約に関する民法改正のポイント

民法改正により、利用規約はどのように変わったのか、押さえておくべきポイントについて解説いたします。

 

契約内容とすることの明確な表示

民法改正により、利用者が利用規約の個別の条項についての同意を行ったかどうかについて明確になりました。その要件として、利用規約を契約内容とすることを明確に表示する必要があります。

 

利用者に損害を与える条項の有無

利用者の利益を一方的に害する可能性がある条項が利用規約に含まれていた場合、それを削除するか、もしくはその条項について個別に同意を得る必要があります。自社の利用規約にそのような条項がないか確認する必要があります。

 

内容の表示方法について

民法改正により、サービスを提供している事業者は、利用者から請求があった場合、迅速に利用規約の内容を提示する必要があると定められました。利用規約をインターネット上で公開し、そのページを利用者に案内している場合や、利用者に対して既に利用規約の内容を書面やメールにて通知している場合は問題ありません。ただし、インターネット上で利用規約を公開するだけでは民法に違反してしまいます。公開しているURLのページの案内までが求められるため、注意が必要です。

 

変更に関するルール明記

利用規約の内容が変更される場合のルールを明記する必要があります。

民法改正によって、条件を満たすことで利用者の同意がない場合でも利用規約の内容について変更が可能になることが定められました。利用規約変更の条件として、「利用規約の変更が利用者の利益になる場合」「利用規約の変更が契約の目的に反せず、必要性や相当性が合理的である場合」の2つが定められました。変更が可能な条件について利用規約内で明記し、利用者に通知する必要があります。

 

定型約款について

民法改正により定型約款が新設されました。

定型約款には3つの定義があり、以下の3つの定義を満たす約款が定型約款に該当します。

 

不特定多数

サービスを提供する事業者が、不特定多数の利用者に対して行う取引である必要があります。ここでいう不特定多数の利用者に対して行う取引とは、利用者の個性に着目せずに行う取引を指します。

 

定型取引

不特定多数の利用者に対して全員に同じ内容で契約をすることが通常であり、事業者に対して利用者が交渉を行わずに契約条項をそのまま受け入れて契約が成立する形が合理的である場合の取引を指します。

 

一方性

ここでの一方性とは、約款が事業者によって一方的に準備されたものであることを指します。事業者と利用者間で取引する際に、契約内容について交渉が行われる場合は定型約款に該当しません。

 

まとめ

民法改正により、利用規約は内容の通知方法などに新たな規定が定められました。ポイントをしっかりと理解し、対応が必要な場合は迅速に対応しましょう。

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