契約取引の検収でトラブルを避けるためのポイントと防止法

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契約取引の検収でトラブルを避けるためのポイントと防止法

契約取引の最後の詰めともいうべき検収の手続きは、決して一通りではなく、業務やサービスの性質によって手順や押さえるべきポイントが違います。発注者と受注者の意図のズレからトラブルになることも少なくありません。

ここでは、そもそも検収とはどういうことなのか、トラブルになる原因について解説し、それを踏まえてスムーズな検収を行うために必要なポイントについて解説します。

 

契約取引の検収でトラブルになる原因

検収とは、契約取引の最終段階で行う重要な手続きです。まずはその定義からトラブルになる原因を探ってみましょう。

 

検収とは成果を確認すること

契約取引で取り扱うものは、目に見える品物である場合やコンピューターのシステム開発など目に見えないものである場合もあります。このような発注者が希望する品物やその数量、システム開発一式などを「成果」とすれば、検収とは納品された成果を発注者が確認することだといえます。

もし検収をしなければ、納品後に数量が足りなかったり商品が違ったりした場合、受注者が納品時に誤っていたのか、もしくは納品後に原因があったのかがわからず、トラブルになる可能性があります。それを避けるため、間違いなく契約どおりに納品されたかどうかを発注者が確認すること、すなわち検収する必要があるのです。

 

成果がわかるものばかりではない

取り扱うのが品物であれば、大小関係なく商品と数量を目で確認することができます。この場合、後にトラブルになるとすれば、検収を怠ったときか不十分なときくらいでしょう。ただ、コンピューターのシステム開発のような成果だと、手に取ることができないので一見して確認することはできません。

目に見えない成果の検収は、契約時に「何をどのように検収するか」を定めておくことが重要です。

 

スムーズな検収に必要なポイント

検収や検収後のトラブルを防ぐには、いくつかのポイントがあります。ここではそのポイントを解説します。

 

何が成果なのか事前に申し合わせる

まず重要なのは、次の2点を契約時に明確にしておくことです。

 

・成果は何か

・どのような方法で検収するか

 

これらを発注者と受注者の双方がそれぞれ了承していなければ、成果の認識が異なって納品そのものも危うくなってしまいます。

 

契約不適合責任と検収期間を明確に

契約取引の検収では、契約不適合責任(瑕疵担保責任)と検収期間が大きな意味を持ちます。検収後、もしも成果に重大な瑕疵(キズ・欠陥・不具合のこと)が発覚したら、受注者に対して契約不適合責任を問うことができます。契約不適合責任とは、契約不履行によって生じる責任の一つで、検収後でも問うことができます。

 

成果が品物の場合は比較的簡単に確認できますが、目に見えない成果の場合は契約不適合責任の状況や範囲が重要になります。そのため、契約時に明確に定めておく必要があるのです。

また「検収期間」とは、成果物の納品後に発注者が検収を行うべき期間として設けられる期間をいいます。検収ができない状況だったとしても、受注者はいつまでも待っているわけにはいきません。そこで、発注者と受注者が合意の上で契約に検収期間を盛り込み、その期間内に発注者が検収結果を通知しない場合には検収完了とみなすわけです。

 

システム開発では検収が難しい

目に見えない成果の代表がコンピューターのシステム開発です。コンピューターは目に見えますが、システム自体は見えません。この場合の検収ポイントはどのようなものでしょうか。

 

誰もがシステムに詳しいわけではない

コンピューターシステムは目に見えないばかりか、どうにかしてプログラムを見たとしても簡単にわかるものではありません。それがシステム開発の検収でトラブルになりやすい原因です。しかし、だからこそアウトソーシングするのですから無理もないことです。

 

システム開発における瑕疵

システム開発委託契約では、納品とともに発注者が検査し、その検査に合格(検収合格ともいう)すれば成果として引き渡されるのが一般的です。発注者が検収を終えれば、無事に納品完了とみなされて報酬が発生します。

しかし、それでもシステムが完成しているかどうかについて争われることはあります。この場合、成果が目に見えないため簡単ではありませんが、システムの完成は受注者が証明しなくてはなりません。

過去の判例では、予定されていた工程を間違いなく終わっていれば、不具合があったとしてもシステムは完成したとみなされます。この場合の不具合は契約の不履行ではなく、完成後の契約不適合責任の問題として処理すべき問題だとされています。

 

システム開発での検収トラブルを防ぐには

ただ、このような争いは「成果とは何か」「どのような方法で検収するか」「契約不適合責任の状況や範囲」がそこまで明確でなかったことが原因だと考えられます。

具体的に定められるべきだった項目はおおよそ次のようなものでしょう。

 

・明確な検収期間・検収方法

・検収結果の通知方法

・詳細な合格基準、もしくは明確な合格基準決定の手続き方法

・不合格の理由と再検査の方法

 

これらのトラブルを防ぐには契約を交わす前に当事者どうしで充分に議論し、契約書に明記するとよいでしょう。

 

システム開発の検収は事前申合せが必須

契約取引における検収は、発注者が成果を確認することです。ただ、何をもって成果とするのか、どのように検収するのかは契約時に細かく定めて合意しておく必要があります。

コンピューターのシステム開発においても同様ですが、成果が目に見えないだけにより詳細かつ明確に定めておくことが望まれます。いずれにしてもスムーズな検収には、事前の申し合わせが重要であり必須です。無用なトラブルを防ぐためにも念入りに事前準備するようにしましょう。

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