電子契約書に法的効力はある。紙媒体よりも安全とされる理由

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電子契約書に法的効力はある。紙媒体よりも安全とされる理由

最近では様々な文書の電子化が進んでおり、「電子契約書」を導入する企業も増えてきました。そこで気になるのが、電子契約書でも法的効力があるのか。今回は、契約書のもつ法的効力をまとめつつ、電子契約書でも同等の効力があるのか法的解釈も踏まえてご説明します。

 

契約書の5つの効力

「契約書=取引に必要な書類」と漠然とイメージしている方も多いと思いますが、主に5つの効力があります。契約書は重要な文書ですから、どのような効力があるのか確認しておきましょう。

契約成立の意思確認

契約とは当事者間での合意さえあれば成立するもので、本来は契約書がなくてもいいわけです。しかし、口約束だけでは紛争時に揉めることもあるため、契約書は作成されます。

契約書を作成することで当事者間に契約の意思があることや、契約内容に合意していることを確認する効力があるため、契約書を「信用」の担保として安心して取引できるのです。

履行内容の手引き書

契約書には契約内容が事細かに記載されています。例えば、賃貸契約であれば賃料や支払日、振込方法など。売買契約であれば取引金額や納品物、納品日、納品方法などでしょう。

このように契約内容が記載されることで、何をいつ履行すればいいのか明確になります。つまり、契約書には手引き書のような効力もあり、契約のスムーズな履行に貢献するわけです。

紛争前のトラブル防止

口約束であれば「言った」「言わない」の争いになる可能性があります。対して、契約書には契約内容が事細かに、何をいつ履行すべきなのかまで記載されているため、紛争に発展することはまずありません。

また、契約書には法的効力があり、裁判では重要な証拠物件のひとつです。このことは誰しも十分に理解しているわけですから、契約書には紛争を未然に防止する効力が期待できます。

紛争時の証拠物件

裁判において証拠物件は、証人と比べて第三者が介入しづらく、信頼できる証拠とされます。中でも、契約書は当事者間の合意が明確な文書なので、証拠能力としてはもっとも強いです。

ただし、契約書の内容が不十分であったり、読み手によって異なる解釈ができたりすると、契約の効力が疑われることもあります。そのため、契約内容は細かく記載することが重要です。

特殊な契約の担保

契約は当事者間での合意があれば成立するため、契約書がなくても相互に信頼関係さえあれば問題はありません。しかし、中には契約書を作成しないと成立しない契約もあります。

例えば、贈与契約や保証契約、消費貸借契約、夫婦財産契約などです。これらは各法律により文書の作成が求められている契約で、契約書によってのみ法的効力が担保されています。

 

電子契約書にも法的効力がある

契約書のもつ様々な効力をまとめてきたわけですが、電子契約書にも同様に効力はあるのでしょうか。電子署名法によると「本人による一定の要件を満たす電子署名が行われた電子文書等は、真正に成立したもの(本人の意思に基づき作成されたもの)と推定されます。」と記載されています。

引用:https://www.wanbishi.co.jp/blog/relevance-of-signature-and-contract.html

 

つまり、電子契約書であっても電子署名さえ付いていれば、当事者間で合意がされた真正(本物)の文書で、紙媒体の契約書と同等の法的効力があると認められているわけです。

ただし、電子署名法には「電子署名の認証を業として行う認証業務について、一定の基準を満たすものは、総務大臣、経済産業大臣及び法務大臣の認定を受けることができる。」「上記認証業務の認定制度の導入にあたって、総務省、経済産業省及び法務省が、認証業務に用いられる設備等を実地に調査する業務を行う指定調査機関を指定する。」ともあります。

これは政府が指定する業者のみが電子署名を提供できることを意味しており、それ以外の業者が提供するサービスの法的効力は保障されていません。最近では様々な業者が電子署名を提供しているので、これらサービスを使用する際には指定の業者なのかは確認するべきです。

 

電子契約書は紙媒体より安全になる

電子契約書には電子署名に加え、文書の作成された日時を記録するタイムスタンプなど様々な改ざん対策がされています。そのため、現時点でも電子契約書は十分に安全な契約方法です。

その上、電子契約書はさらに安全になると考えられています。電子署名法の第2条では電子署名を「電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものを言う。以下同じ。)に記録することができる情報について行われる措置」と定義しています。

引用:https://www.wanbishi.co.jp/blog/relevance-of-signature-and-contract.html

 

ここで重要となるのは、すでに一般化されている暗号化方式の電子署名に限定せず、あえて「電磁的記録」と定義を曖昧にしていることです。電子署名はまだ発展途中であり、より安全な技術が開発される可能性があります。法律に余裕をもたせることからも、政府の期待が伺えます。

 

まとめ

契約書の効力は、契約成立の意思確認、履行内容の手引き書、紛争前のトラブル防止、紛争時の証拠物件、特殊な契約の担保、の主に5つでした。そして電子契約書であっても同様です。

また、電子署名やタイムスタンプなど、電子契約書には様々な改ざん対策もされており、すでに紙媒体と同等以上に安全だと言えます。さらに、技術の発展とともに新たな対策が開発される可能性まで考慮すると、今後、様々な取引において主流な契約方法になることでしょう。

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