契約書に定める不可抗力条項とは?認められない場合もある

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契約書に定める不可抗力条項とは?認められない場合もある

契約を締結する際に作成される契約書には「不可抗力条項」の項目が必要です。不可抗力条項とは、天災や戦争など抗いがたい事態により契約の履行が難しくなった際に、責任追及を逃れるための条約です。

しかし、この「不可抗力」はどこからどこまでを不可抗力とするのか定義がなく、不可抗力条項を規定する際にはいくつかの点に注意を払って定めなければなりません。この記事では契約書における不可抗力条項について、定め方や注意点などを解説します。

 

契約書の不可抗力条項とは?

契約書に記載されている不可抗力条項とは、契約が不可抗力によって債務不履行となった場合に責任から逃れるための条項で、契約書を作成する際には必ず設けておくべき項目です。

 

不可抗力条項はなぜ設定される?

契約書を作成する上で、なぜ不可抗力条項を定めるべきかというと、不可抗力という状況がいつ起こるか分からないので、万が一に対する備えが必要だからです。

もしも不可抗力条項を設定しておかないと、天災や戦争などの不可抗力によって契約が履行不可能となった際でも、契約不履行の責任を負わなければならず、組織に大きなダメージを与えかねません。それを避けるためにも不可抗力条項は設定するべきなのです。

 

契約書の不可抗力条項はどう規定するべき?

契約書に不可抗力条項は必ず設定すべきですが、実はこの不可抗力、どこまでが不可抗力に当たるのかが明確に規定されていません。そこで、契約書に不可抗力条項を規定する方法について解説します。

 

できる限り具体的に幅広く記載する

不可抗力には、一般的に台風・大雨・地震・火災・伝染病・テロ・戦争・ストライキなどが挙げられますが、明確な規定はありません。不可抗力条項には、不可抗力とは何かをできる限り具体的に幅広く記載しておく必要があります。

 

不可抗力条項を詳しく設定すべき理由

不可抗力条項を設定する際は、詳しく具体的に書くべきです。なぜならば、不可抗力には明確な規定がなく、具体的な記載がなければ万が一契約不履行といった事態が起きた場合、相手側がその理由を不可抗力によるものと認めない可能性があるからです。その結果、損害賠償責任が生じたり、一方的に契約解除となってしまったりする場合があるのです。

万が一契約不履行の事態となった際、その理由が不可抗力であることを相手にしっかり主張するためにも、不可抗力条項は詳しく書いておくべきなのです。

 

雛形の利用は慎重に

不可抗力条項を規定する際、その内容は具体的に書くべきですが、内容が多くて規定に手間がかかるので雛形を利用するという人も多いでしょう。

しかし、不可抗力条項の規定において、雛形の利用は慎重にすべきです。雛形は万人が使えるように設定されているので、その内容が自社の契約内容と合っていない、もしくは漏れがある可能性があるからです。契約書の作成で雛形を利用するのであれば、契約内容と合っているか、不可抗力条項で漏れはないかをしっかり確認するようにしましょう。

 

不可抗力条項で常に免責されるとは限らない

不可抗力条項は、不可抗力によって契約が不履行となった際にその責任を負わない旨をまとめた条項ですが、実は不可抗力条項さえ規定しておけば常に免責されるとは限らないのです。不可抗力条項で免責されないパターンにはどのようなものがあるのか、対策方法も解説します。

 

取引相手の主張次第では認められないことも

不可抗力条項は、取引相手の主張次第ではたとえ不可抗力と定めた事態が起き、契約不履行となっても認められない場合があります。

例えば、台風によって定めた時間までに契約が履行できなかった場合、契約書の不可抗力条項で不可抗力の1つに「台風」と定めてあれば、一見不可抗力条項が通るように感じます。

しかし、台風の接近情報が被害の出る数日以上前から発表されていれば、台風によって契約に影響が出ることは事前に予測可能です。そのため「事前に何らかの手を打つことは可能であった」といわれてしまうと、免責が不可能となる場合があるのです。

 

ある程度の予測と事前準備が大切

前述のとおり、不可抗力条項を定めていたからといって常に免責されるとは限りません。そこで、契約を締結する際はある程度の不可抗力は予測し、万が一不可抗力が起こった場合でも対応できるよう、事前準備をしておくことが大切です。

 

金銭の債務は免除されないので注意

民法419条3項には「金銭債務は不可抗力をもって抗弁とすることができない」とあり、不可抗力条項では金銭が免責されないので注意が必要です。

なぜ金銭の債務は免責されないかというと、お金は必ずどこかにあり、支払いが履行不能とはならないからです。そのため、たとえ災害など不可抗力の事態が起きても、金銭の支払い義務は必ず果たさなければなりません。

 

契約書の不可抗力条項に頼り過ぎないように

契約書を作成する際には、万が一不可抗力の事態が起こり、契約が不履行となった場合に免責できるよう、不可抗力条項を定めることが重要です。

ただし、不可抗力条項を定めたからといって常に免責できるわけではありません。取引相手から契約の履行について方法次第では履行可能であったと指摘されると、賠償責任が発生する場合もあります。そのため不可抗力条項に頼り過ぎず、ある程度の予測と備えをしておくようにしましょう。

 

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