外国企業との契約も電子契約書でカバー可能?海外現地法人を有する日系企業が電子契約書を導入するメリットは?英文契約書と電子契約書の関係について紹介

カテゴリ:電子契約書

外国企業との契約も電子契約書でカバー可能?海外現地法人を有する日系企業が電子契約書を導入するメリットは?英文契約書と電子契約書の関係について紹介

この記事は、外国企業とのやり取りで英文書類を取り交わす必要がある会社や、既に海外に現地法人や支店を置き、常時英文書類に触れている会社を念頭に、英文契約書が電子契約書として利用可能かどうかの可否や、海外とのやり取りが必要な会社が電子契約書を導入する利点について解説していきます。

 

  1. 電子契約書と英文書類

グローバル化やインターネットの発展に伴い、取引相手が外国企業となる場面が珍しくない今の時代において、日系企業も、英文契約書を中心とする英文書類に触れる機会が急速に増加しています。外国企業を取引先とする場合、契約書の成立要件や適用される法律が日本とは異なるケースも考えられます。電子契約書の導入を検討するにあたり、英文契約書を取り扱う会社は、英文により作成された書類も電子契約書として有効に利用ができるのかどうかは、判断における重要な検討ポイントとなります。

 

  1. 外国企業との間で締結される英文契約書は電子契約書として有効?

 

外国企業と取引する日系企業の増加

既に海外展開している企業や海外展開を視野に入れている企業の数は、年々増加しています。統計によると、既に海外展開をしている日系企業のうち、約75%以上は、比較的日本からの距離が近い東アジアや東南アジアに進出しています。特に、近年は大企業のみならず、中小企業が積極的に販路拡大の為に東南アジアに進出する現象が顕著です。このような趨勢の中、外国企業との取引を検討する上で、相手方と取り交わす英文書類も電子作成・保管が有効であるのかが問題となります。

 

日本において外国企業と英文契約を締結する場

まずは日本において外国企業と取引を行うケースについて考えます。日本で外国企業と英文契約を締結する場合、多くのケースでは、契約書の準拠法が日本法となります。準拠法規定とは、契約書の法的解釈をする場合に、どの国の法律を基準とするかについて取り決める規定です。準拠法が日本法である場合、たとえ契約書が英文で作成されていても、日本法を基準に契約の有効性が判断されることになります。つまり、契約書の電磁的作成及び保管が有効である日本法のもとでは、英文契約書は、法的に問題なく電磁的書面として利用することができます。

 

海外において外国企業と契約を締結する場合

海外の現地法人や支店が契約主体となる場合はもちろん、日本に本社を有する企業が外国企業との間で契約書を締結する場合、準拠法は必ずしも日本法とはならない場合があります。準拠法が日本法でない場合、電子契約書作成の有効性は、契約の準拠法となる現地の法律に基づいて判断されることになります。インターネットの発展に伴い、世界各国でも契約書面の電子化に対応する動きが見られ、テクノロジーの進展に合わせた法整備が急ピッチで進んでいます。

電子契約書の利用が原則として有効となり得る国・地域について、日系企業が数多く進出している東アジアや東南アジア地域を中心に見てみると、以下のとおり、ほとんど全ての国において電子契約書が有効に利用可能であることが分かります。

 

電子契約書の締結が有効となる主要なアジア各国及び地域(順不同)
中国・韓国・シンガポール・タイ・マレーシア・フィリピン・香港・インドネシア・ベトナム・インド・ミャンマー・バングラデシュ・カンボジア・ラオスなど

 

契約書として電子契約書が法的に有効となる要件や電磁的書面の保存方法などの詳細については、国や地域によって様々な規定が置かれていることに留意が必要となりますが、電子契約書による契約書の作成及び保管は、ほぼ全てのアジア諸国においても有効に締結可能であることが分かります。

 

  1. 電子契約書の導入により、海外拠点との一元的な書面管理が可能に

 

アジア諸国に統括地域拠点を置く企業や、外国企業と定期的に書面の取り交わしを行なう企業などは、書面を取り交わす際、準備した書類を海外に輸送し、さらにその書類を海外から返送してもらう必要があるため、相手方の署名が入った書類が手元に用意できるまでに相当の日数を要するという問題に直面します。また、郵送の回数が積み重なれば、書類の郵送コストにも悩まされることになります。

 

しかし、電子契約書の普及によって、これらの問題は今後解消されることになるでしょう。相手方が電磁的書面に署名をした時点で契約は成立するため、書類を郵送して紙ベースの書面に署名をしてもらうという必要は無くなります。この方法であれば、もちろん郵送コストはかかりません。

また、電子契約書は、取引先を相手にする場合だけでなく、社内決済が必要な書類などにも効果を発揮します。紙ベースの書類では、決済権限者が出張などで会社に不在の場合、当該権限者が出社して実際に署名するまで決済が下りません。しかし、電子契約書であれば、決済権限者がどこにいようと、即座に署名をすることが可能となり、業務効率が上がる場面が多く想定されます。

 

  1. グローバル化やテクノロジーの進化に合わせたビジネススタイルの確立を

本記事では、アジア各国を拠点とする海外の取引先が相手でも電子契約書でカバーされることや、海外の取引先や地域拠点への書面交付の煩雑さを解消する手段として、電子契約書が有効である点について説明いたしました。

デジタル化の世界的な潮流に合わせ、業務効率を改善させるために電子契約書を取り入れてみるのはいかがでしょうか。

 

執筆者:菅谷伸夫

ケルビンチアパートナーシップ法律事務所
(日本国弁護士/シンガポール外国登録弁護士)

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